(1)
不眠症のお姫様に捧ぐ :
作詞/ウェル :
1074_58
眩んで瞬く時計の灯 キミは白鴉(ハクア)の王子様
不眠症で眠れない 私のためのくすり
灯りが潰えた世界で 踊り狂う道化師は
鎖に縛られ泣いている どうやらここが終点
見て 水底誘う アリスの姿
貴女 どうも顔色 優れないようで
扉を開けたら怒られた 透明な模様に傷が付く
俯瞰で眺める地平線 御伽の国へ飛び出した
「合図を待て 合図を待て
未だ走れ 涙を拭え
アイツが来た アイツが来た
隠し持った ナイフを――」
夢を 観ているような 淡い色の中
ごめんね 大人たちはもう 何処か遠くまで
一人で ここに居れるかい 寂しいのかな
雨降る この檻の中 佇んでいる
空っぽの部屋泣きそうになる
孕んで咲いたカロンを あやすように目を閉じた
(1)
KIR哀歌 :
作詞/ウェル :
1074_56
誰かが泣いてる声がする それは自分のモノでした
誰も助けちゃくれないな 一人ぼっちの昼食さ
体育の時間は先生と そんな僕をあいつらが笑う
陰口じゃない陰口を 聞こえないふりをして
ポケットの中静かに 握り拳をつくったよ
修学旅行の班決めも 邪魔者扱い慣れっこさ
手を差し伸べてくれる人なんて 誰一人いなかった
人間不信になったのは ほかならぬ自分のせい
誰よりもまず自分の事 嫌いなのはお前らのせい
夕暮れは僕の心 カラスの声が寂しいな
草臥れたイヤホンを 両耳に押し込めた
生きてて楽しい事 これっぽっちもなかったよ
死ぬ勇気もないくせに 誰かを傷つける事も
裂かれた教科書 菊の花
黒板一面 悪口が
嫌な事だらけだけど 少しだけ優しく
なれた気がした それだけでいいや
(1)
サイレン :
作詞/WANAM :
1074_52<>sk10_448
ウーン ウーン 鳴り響くサイレンが ウーン ウーン 鳴り響く
ウワーン ウワーン 泣き叫ぶ迷子の子 ウワーン ウワーン 過ぎる足音
雑踏に暮れる 町並み 君はいつになれば戻る だろう
愛の消えた世界 人は 誰も ただ過ぎるのか
僕は 待っている 君を待っている
慕情は 闇夜を 過ぎても 終わらない
アーン アーン 惰性に暮れるサイクル アーン アーン 繰り返す
ウォーン ウォーン 鳴り響くサイレンが ウォーン ウォーン 鳴り響く
紅が 永久の 町並み 君の帰りは まだ なのか
愛の消えた世界 人は 誰も 孤独なのか
僕は 待っている 君を待っている
僕は 待っている 月夜に待っている
*編註/コメント:
(1)
言の葉:Sensitive :
作詞/ウェル :
1074_45
有形風景有り触れてる 銀色鍵盤鳴り響く 一人
正解なんてないはずだ 音もなく崩れるピアノの塔 ぐらり
音を付けてほしいな
そう願う眩んだ言葉の音(ね)
貴方の指先が命を吹き込む風と成る
自分の内面を切り取って 風景を再生したいんだ
世界が羨むような 素晴らしい出会いを待っている
夢か真かも分からない 電子の世界で佇んだ
どんなに待ち焦がれたって その時は来ないかも知れないな
―――
有象無象が溢れてる 錆びついた玄をかき鳴らす 独り
間違いなんてないはずだ 音さえ途絶えた積み木の家 ゆらり
声を吹き込んでくれ
そう願う眩んだ言葉の音(ね)
貴方の唄声が命を吹き込む水と成る
貴方の声で言の葉を どこまでも響かせて
ワンフレーズだけでもいいからさ 世迷言だなんて言わないで
知っているよいつの日か 言葉は全て灰になること
悲しいけれどもそれが答え だけどもそれでも今だけは
命を吹き込む事が出来るのは 貴方を置いて他にいない
旋律が瞬いた 喜びだけが残っている
通り過ぎた言葉達は 忘れ去れて泣いている
貴方が命を吹き込んで 貴方を待ってるモノがある