(1)
毬追い :
作詞/無楽 :
328_480
トタン屋根うつ雨音の下
前足をかけうつろな目
すがる鳴き声つれていってと
爪を立てるは我が心
顔をあげれば尻尾は向こう 君の心のけなげさを
じゃらし遊べる日々がゆく すりよる時の鈴の音
わがままな姫に捧げた物の
爪のあと見て呼ぶ名前
朱色の毬をつついて追って
丸くなる日の手まり唄
遊ぶつもりが遊ばれ眠り 胸の上のる姫君の
顔を見上げる幸せを 毬に刻んでさようなら
柱の傷に涙する
手の平の傷 浅さを恨み
冬のこたつに春の縁側
毬が弾んだ 一つ二つ