(1)
百物語 :
作詞/無楽 :
317_59
夏の夜の華 江戸の花
うだる暑さを消す術を知る
火事も喧嘩も不粋の極み
暑いとき聞く喧騒に
しばしお暇を願いましょう
お宮参りの小道を渡り 袋小路の戸板の向こう
日暮の鳴く竹林 肩に手を置く背中が笑う
暮れの六つ聞く鐘の音に
百鬼夜行が気もそぞろ
車座に座る皆々様の
隣見れれば狐のお面
蠟燭がゆれて暴くのは何
逝きはよいよい帰りは怖い 怖いものほど目を覆い
指の隙間で見たくなる 揺れる明かりの数を聞く
風が戸口を揺らすのは 誰かが急かす
夜にカラスが一声あげて 告げる今宵の宴の始め