(1)
ペンギン :
作詞/ゐそ :
922_23<>sk7_225
誰かが落としたペンギンの人形を 宝物だなんて自慢げに抱えて
要らないものなんかじゃないなんて 廃棄物だなんて絶対に認めずに
今日も尊大な態度で したり顔で吼える
氷の上を素足で歩く 張り付き痛む足
広げた両手には 霜が重なり凍りつく
凍えるペンギン 翔べない羽根で 空を夢見て本日も 嘴で鏡を割る
砕けるペンギン 鳴き損なった鳥 まがい物の環の中で 今日も暴れた
誰かが嘲ったガラクタの卵を 後生大事に胸の中に隠した
誰も認めないものではなくて 自分が認めればいいと抱きしめて
今日も頑固な意思で 一人きりで笑う
ツララの中を素手で探る 切り裂き痛む腕
広げた両足には しぶとく力を振り絞らせ
真っ赤なペンギン 沈まない夕日の色 散った羽の色はいつしか 氷に閉ざされて
消えないペンギン 忘れられない記憶 いつか世界に解ける氷は 朱い夕日の色