赤とんぼデータベース

ずっとずっと続いてればいいと　坂道上りながら思っていた
しがみ付いたその白い肩に　寄り添っていた私の幼い手
軋む車輪に　不安定な軌跡

長い急な坂道に挑む姿に　後ろからエールを飛ばした（だけ）
身近にいるつもりだった　他人事の　「がんばれ」ってエール
言葉で大げさなオモイ　言葉だけのヤサシサ

いつまでも　続く　あまりにも長い道
「だいじょーぶですか？」「まだ行ける、大丈夫よ」
伝う汗に　真っ赤　その頬
「おしりがいたい、おりたいな」「いいから座ってなさい」

私はいつも　か弱い子どもでした
あなたはいつも　「母の顔」でした
守ってもらうばかりで　返すことを
知らなかった
（無償の愛に）
守ってくれるばかりで　返させようと
しなかったね
（ごめんなさい）

疲れたよね？もう降りようか。まだゴールにはつかないし
ここからは、自転車を置いて、あなたの手を引いて歩かせて。