作曲できる奴ちょっとこい【懐メロ特集】 [448スレ]
- 165：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] ： 2008/11/13(木) 18:43:25.32 ID:EbcAL8uh0
- 風にまじって雨が降る夜や、雨にまじって雪が降る夜は、どうしようもない
寒いので、堅塩なんぞをつまんで嘗めながら、糟湯酒をずるずる啜って、しきりと咳き込み、
鼻をぐずぐず言わせて髭を撫でさすって
俺ほど立派な人物はいないだろうと威張ってみるけれど
やはりり寒いので、麻の布団をひっかぶって
袖無しをありったけ重ね着するのだけれども、
それでもまだ寒い夜であるもの
私よりも貧しい人の父母はさぞやひもじく凍えているだろうなぁ。
その妻や子どもたちは物をせがんで泣いていることだろう
。こんな時は、どうやってあなたはこの世をしのいでいるのか。
天地は広いと言うけれど、
私にとっては狭くなるものか。日と月は明るいというが、
私にとっては照ってくれぬのか。皆そうなのか、私だけそうなのか。
運良く人と生まれたのに、人並に働いているのに、
綿も入っていない布の袖無しの、海松(みる)のように破れて垂れたぼろだけを肩にかけて、
ひしゃげた小屋の中、地べたにほぐした藁を敷いて
父母は枕の方に、妻や子は足の方に、身を寄せあって、不平をこぼしたり呻いたりして、
竃には火の気もなく、甑には蜘蛛の巣がかかって、飯を炊くことも忘れて、
ひいひい弱音を吐いていると、「短い物の端をさらに切る」という諺どおりに、
笞を持った里長の声は、寝屋にまで来てわめきたてている。
こんなにも詮方ないものか、この世を生きる道とは。