(1)
色飾是空 :
作詞/無楽 :
281_24
卯月葉色が変わる頃 君の背中に浮く緑
葉月緑の濃きに添う 紅を引きたる夜の君
いつもうるさき口元を そむけ引いたは浴衣袖
闇に浮き舞う燈明に 夜に舞う蝶ひらりゆらりと
帯の赤舞う胸の内 消えぬ知れたが恋に落ちた日
神無月見る月影に ススキ眺める髪の黒
師走白銀降れる中 君の引く手の白き見る
それを隠すは雪の去る 日には共にと消えぬよに
風に流され二度と会う ことが無き身の雪の悲しき
そこに立てれる横顔の 凛に浮かぶは春の夜桜
四季が過ぎての色の数 鮮やかを知った幼きに
横に立つ背の色を聞く 答えあるかも解らぬままに
色は移るになぜ飾る 情が移ればただただ辛く
あせて消えるにすがり泣く 涙色知る訳もない身で
色の移るに恋した私 色の染まるに恋したあなた