(1)
レモン :
作詞/しめ鯖 :
1012_338-339
君が通り過ぎた道は 何処か甘酸っぱい香りが漂っていて
これはみかんの香りかいときくと レモンだよと君は屈託のない笑顔で答えた
君はレモンに目がなくてレモン味のフレーバーを見つけるとすぐ駆け寄ったね
あれから随分経って僕の横では君の笑顔もレモンの香りもしなくなって
なのに君がレモンがこよなく好きだったという記憶だけ残っているなぜだろう
それからレモンを見るたびに君の笑顔が脳裏に思いだされて僕は何の考えもなく果物のレモンを買った
※
レモンの味はまだ僕には早すぎた 酸っぱくて苦くてかむ度に涙がこぼれてきたから
まるで二人の戻れない関係を表しているみたいだった
レモンを食べたけど僕にはまだ早すぎた 飲み込む度に君との思い出が失われるような気がしたから
酸っぱくて 苦くて 食べにくい まるで僕みたいなレモン
全ての幸福や思い出 悲しみや苦しみ楽しかった思い出
全てがこの重さにある気がして 僕はまじまじと手にしたレモンを眺めていた
見つめるレモンに君の笑顔が浮かぶ もうレモンを通してしか見れないんだね
溜息をつく度にその声が頭に残って僕をより一層鬱にさせる
なのに君がレモンがこよなく好きだったという記憶だけ残っては一向に消えない
僕はレモンを見るたびにあの美しかった日々を思い出すけどその記憶があるだけで今の僕に残っているものは何もない
レモンの映えた黄色はあのときは 二人の明るい未来を予感させていたはずだった
まるで二人のこれから続く明るい未来を予感させていた
なのにレモン段々と黒ずんで 鮮やかな黄色はいつの間にか失われてしまったね
黒くて 強く 残る酸味 今の僕みたいだった
※