赤とんぼデータベース

夕焼けが目の中で弾けて痛い　血の滲んだ手の平を見て
君の背中が遠くなっている　ぼやけて見えなくなっている

名前の登録もない数字の羅列と　規則的に並んでるアルファベット
「君が今度住む町の春は遅いみたいで」でもそれ以上は指が続かない

君が髪を切った理由も　急にピアスを開けた理由も
聞きたいけど迷惑だろ
繋がりが出来た日々も　「冗談」で済んだら怖いから
僕はそのボタンを押せない

誰かが僕の背中を押してくれたら　僕は歩いてみせるのに
嘘なんて一つだって吐いていないよ　誰にも言えなかったから

こっそり撮り溜めた君の横顔は　後ろめたくて壁紙にはしてない
噂の占いに僕と君を当てはめてみる　その結果は見なかったことにしておこう

黒板の前で笑いながら　さよならと言っちゃった君がさ
なんか辛くてそっぽを向いてた
口に出せれば簡単だけど　声になるまでが遠すぎて
そのまま干涸らびてしまうんだろ

君が遠くへ行っちゃうことも　教室では笑っていたことも
僕は少し悲しかったよ
でも電車の窓からずっと　手を振り続けていたことを
僕は多分忘れないよ

新しく登録された君の名前とアドレスと
言いかけてた言葉を今送って