赤とんぼデータベース

黒海浮かぶ 月明かり
姫は今宵に 沫と為る
貴女の手には 重過ぎる
幼き罪と 短剣よ

声を亡くした 謀反者
齢十五の 末娘
穢れを知らぬ 其の躰
今や尾鰭は 白き脚

唯君の夕立と
刹那より激しきを

何時かの雨は 宿命か
船を惑はす 妖精(ローレライ)
堕ちるのでせう 舟人は
奇しき声に 魅せられて

醜き鴨は 白鳥に
聖夜に凍ゆ マッチ売り
何方(いずかた)向かふ 此の終り
今に蔓延る 童話劇

寂寥の騎士と為る
捧げやう此の命