(1)
影縫 :
作詞/無楽 :
1000_227-228
音に近く 駆ければ遠く
通り道が判らない
右に金魚 左にラムネ
そんな些細に胸躍るとは
あの夏の あの夕暮れの
あの社の お祭りという
どうにもならない事の限りを
行くに能わず 帰るに如かずと
涙ながらに遊びたい
幾年を経ても 影を縫われた如く 自分と云う形が
あの季節から動かない この季節から動けない
また夏が終わる
笛に惑い 太鼓に揺れて
帰り道が解らない
上に提灯 下には狐
そんな風情に足すくむとは
あの夏の あの夕闇の
あの幽かな お囃子という
どうにもならない時の流れを
聴くにゆかしく 観るに恋しと
涙ながらに辿りたい
幾歳を得ても 影を縫われた如く 自分と云う心が
この季節から動かない あの季節から動けない
また夏が終わる