(1)
湿気 :
作詞/ゐそ :
se01_179
いつかうまくいくって 勝手な期待して 自分の足で歩かないで
明日から頑張るって 無責任に後回し まだ来ない日々を過信して
今日も僕は空を眺める 雨の降る空を見て大慌て
ベランダの洗濯物に飛びついて 取り戻せない失敗をただ嘆いている
雲の覆い尽くす先にあるはずの 空はまだ見えなくて暗いグレー
傘を差して一時を凌いだって 湿った空気は僕の肺を苛んでゆく
いつかは晴れるよって 動くことを恐れて 何もできるはずがないんだと
勝手に思い込んでは 傘に開いた穴から 曇天をただ眺めている
雨に濡れた酸素は責めている 肺を制圧し僕を責めていた
ベランダから見える街の青い蒼空(そら) 僕に無い青い色をただ羨んでいる
雲の覆った先に見えた景色は 無責任を責める重たいグレー
透明な傘から視界に映った 居座るぬかるむ地面の未来の崩落が
道行く人の頭上があまりに青い理由が 無責任な僕にはまるで理解できなくて
どうしてそんなに急ぐんだとかどうしてそんなに頑張れるのかとか
せかせかと動く足を見て 自分の役立たずな足と比べた
晴れ間を求めて貧弱な足を 赤ん坊のような心を動かす
縺れ転ぶ無様な二足歩行で グレーとブルーの境界に立つよ