(1)
砂切(しゃぎり) :
作詞/無楽 :
466_164
現世幽世に 境なく
彼岸の華の赤が問う
この身流れる血の色を
何色とて鮮やかなら 世は事もなし
億千万の一として
君に出会えた理は
神妙これに比類なし
その手を引き駆けめぐる このうれしさは
手に取れず 香りたつ
どうかゆめゆめ 疑うこと無かれ
春過ぎる せわしさを うつすもの
その頬に 唇に 添えたものがあせぬ間に
声の限りつくしても 伝わらないを 悟るから
幕の終わり満たすのは 泣いて崩れる人の音
神も退く慟哭に 想いの丈を知るでしょう
鬼も目を そむけて滲む ひとしずく
あの頃に 気を引いた この僕が
いまはただ 引かれてる 心残りの後ろ髪
暗転が訪れて 次の舞台を 指し示し
次会えば どこのどなたと 君は言う
やせた白 黒の影 明暗となる定めから
ただそこに一抹の ゆかしさを添えに 参ろうか