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春覚の宴 :
作詞/無楽 :
567_142
あなたこなたの輪の中に
置いた酒肴(しゅこう)の 水面(みなも)に浮くは
月 花 風の並びかな 万能の世に 煩悩の夜
それでも古き良き 心ここにあり あとは鳥を待つばかり
首かしげ 星の声 君という鳥 待つばかり
遅れてくると囁かれ 隣 空けた下心
ああ 音がする からころと音がする
今 この隣 春が座す
有象無象の人影を
縫いつけては 魅せてやまない
夜 花 酒のうたかたは 君の横にと 座る言い訳
与えては囃したて 舞いて遊びだす 宵に闇に楽しげに
咲くのかな 散るのかな この結末は 楽しげに
唇つたう一滴 見とれ 注ぐ下心
ああ 音が降る ゆらふらと音が降る
今 この心 奉る
開いては彩りに 香り散る刹那 宴(えん)の盛り 手のひらに
薄紅は 風の中 なんて悲しい ことの終わり
あのひとひらが落ちたとき あなた 呼ぶを決めたんだ
ああ 胸が鳴る はらはらと胸が鳴る
今 この想い 奉る