(1)
後の夜 :
作詞/無楽 :
349_54
胸を叩くは祭りの囃子
まぶた貫く明かりの場所は
明日の夜には木のざわめくに
髪をそよがす境内の闇
木の葉落ちるを耳で見て
目を閉じたこと気づく夜
影を縫いつけ心を置いて 手繰りよせるはヒグラシの声
駆けてあがった石段に 響く足音 今日が去る音
夕暮れの影重ねた闇は
赤に黄色の袖をふりつつ
頬を染めては手で招きたる
一夜限りの万華鏡
一年という笛の音は
この日のための音頭とり
白き手を振り袂をわかち 縁をえがいたこの場所は
前に踊るは雪の夜 後ろ舞うのは 後ろ舞うのは
石段を駆け鳥居をくぐり 踵かえして去るその背中
声もかけれず見送った 振った手の色 見えない中で