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連作「ソニア」 ～金沢五重奏～その五「ソニア」 ：
作詞/藤亭 ：
1009_127<>1009_129-130
２００１年の９月に突然世界は終わってしまった
それから幾つも季節が移ったけど
無暗に血が流れるばかりで
僕達が廃墟の中で暮らしてるって事に変わりは無い
徒に正義を振り翳されたって
もう終わってしまった世界の中では
言葉が虚しく響くだけ
ソニア、君はコーカサスの娘
文明を分断した山脈の下で
今も星を見ているかい？
できることなら
僕の事は忘れていてほしい
こっちは忘れる事なんて出来やしないけどさ
一生分の恋をした
終わってしまった世界の中で
それだけが僕の支え
２００１年の９月、夕闇の鈴見橋の上で
僕は携帯電話を投げ捨てた
もう必要の無い物だったから
終わってしまった世界の中でどう生きて行くかなんて
僕にはとても分からなかったんだ
世界が終ってしまった責任なんて
何処にも求められやしない
ソニア、コーカサスの可愛い娘さん
世界はこんな事になっちまったけど
探し物は見つかったかい？
かけがえの無い
君にとっての唯一の真実を
それが君を支えていてくれればいいな
ソニア、コーカサスの愛しき人よ
飛ぶように歩く君の傍で
寄り添う人はいるかい？
とても苦しくなるんだ
君が傍にいないって思うだけで
取り返しのつかない事をしちまったってさ
閉鎖病棟の檻のついた窓の中から
僕はずっと空を見ていた
子の空が君の空に続いてる事を信じて
２００１年の９月に世界は終わったけれど
人々は今日も営みを続けてる
僕はそこからも弾かれちまったよ
ねえ、ソニア
君は今も星を見ているかい？
（完）