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失恋とリンゴ :
作詞/927スレ119(ID:MF1jfb6a0) :
927_119<>927_123
土曜日の夜11時
1つの恋が終わりました
赤が似合う綺麗な人
誰からも愛されるあなたを
最初はただ羨むだけでした
私にはなにもなかったから
「林檎の花言葉を知ってる?」
夕焼け色の中庭
林檎の木の下
そう言って微笑んだあなたに感じたのは
紛れもなく「恋心」でした
「気持ちはすごく嬉しい」
「だけど」
困ったような声色
聞きたかったのはそんなことじゃなかったのに
「私なんかを好きになってくれてありがとう」
馬鹿みたいに泣きたくなって
どうしようもないくらい情けなくて
暗い部屋に立ち尽くした
初めての恋だったのです
あの人に全てに惹かれたのです
あれからどれだけたったのか
不意に射し込んだ月光が
テーブルの上の赤を照らす
ふらりとその赤を拾い上げてみる
浮かんだのは
あの人の優しい笑顔と好きになったあの日の事
「最も美しい人へ」
呟いた花言葉は林檎に吸い込まれて消えた