(1)
遠い傘の夜 :
作詞/にんぢん :
865_38
夜が来るまで二人で居たいんだ
だけど それを見つめる金魚と目があった
臆病者の僕の心は尻すぼみ
君のませた浴衣の姿も そのなかで揺らめく白い両の手も
逃げ出した金魚はもう戻らない
打ち上げ花火 線香花火 ネズミ花火は追われていくのさ
驚いて 煌めいて 夏の夜が更けていく
立ちっぱなしで疲れた身体
忘れかけていたその心に気がついた
燃え始めたその心は走り出す
指した傘のなかに入り込み そのなかで水草みたいになって
穿たれた石ころはもう転がない
打ち上げ花火 線香花火 ネズミ花火は逃げ出しているのさ
分からなくなっちゃって 夏の夜が更けていく
走り続けて疲れた身体