(1)
分岐点 :
作詞/ゐそ :
853_204
耳を塞いでも 滲んで押し寄せる 水の冷たさは 鼓膜を突き破り
口を塞いでも 破けて零れる 感情の激しさは 心臓を貫いて
訝しむ様に眇められる半月に 後ろめたさを 背負いながら生きている
頭を抱えても 溢れて響きだす 鐘の音の凄まじさ 回路を押し潰し
首を絞めても 漏れ出し射出する 息の生きている音 躊躇いを生み出し
哀れむ様に開かれる半月に 激情を覚えつつ 罪を負いながら生きる
君さえいなければ僕はここにいない どうして愛するのかなぜ守るのか
この心はこの心は 引き籠って卑屈になるのに
卵のように割れやすく 殻を叩く鉄槌を待っている
四肢を伸ばして もがいて咽び泣く 誰かがいなければ 生まれることも出来なくて
心の臓を動かして ここにいるよと叫んだ 誰かがいなければ 愛することも知らなくて
寂しさを忘れたふりして 旅立つ君を送り出す準備
置き去りの心は 未熟なまま殺してしまおう
愛しさを知らないふりして 置き去りの自分素知らぬふり
置き去りの感情は 夕日の海に沈めてしまった