赤とんぼデータベース

暗がりの中では蛍光灯の紐を探すことさえ難しく
頼りを求めて手を伸ばしたら食いかけのカップ麺を倒した
今日はこんな時間に目が覚めた 当てにもしてない体内時計
深夜アニメの時間なんだけど何が始まるかまでは知らない

他人に依存してる誰かに浴びせかける罵声と中傷
それに引き換え僕の生命は一本のLANケーブルが繋ぐ
僕は基本無限の空間と奥行きのない絵画に誤魔化され
必要悪という化け物に洗脳されてしまっていた

急カーブに気付かないままで直進したせいだと僕は言った
誰もいない部屋に響く声は熱量なんて持たずに消えた
漠然とした黒い何かに追われ迷路を走る夢を見た
目を覚ませばいつもの牢獄 ユングもフロイトも知らないし

迷ったときに目の前に浮かぶ選択肢に依存しつつある
気に入らないならロードすれば余裕は出来るし楽だもの
だけど僕が生きる人生は退屈な言葉は早送れない
欠陥製品と罵ってでも返品場所はどこだと言うの

壁が今目の前にあるけれど乗り越えようだなんて気はしない
叩いても手が痛いだけだしぶち壊す理由なんてない
画面の向こうの兵隊さんは今日も戦争ごっこしながら
比較的安全なその場所で世界平和を徒然と謳ってる

金が欲しけりゃ体を売るか金がないと泣いてみせればいい
こんな不条理な世界にも神という名のカモは有り余る
そんな些細な人生相談　砕いて言うなら暇潰しだろう
思い通りにならないものなら喚き散らして馬鹿になれ

やり切れない事件の裏側に泣く人もいた　笑う人もいる
こぞって笑う者たちを叩く　世論は常に弱者の味方か
でも悲しい話を聞くたびに僕は好奇の目でニヤついてる
火の粉が身に降りかからないから深夜アニメ見ながら笑うよ

行き止まりで音を立て崩れてく 立ち往生して舌禍を招いた
振り返れば嘲笑は五月蠅く、僕は唾を吐いて微笑んだ
画面の向こうの兵隊さんは今日もひとり現実で死んだ
検索窓に打ち込んだ言葉 「世界の終わる日」エンターキーは押さない