赤とんぼデータベース

やめてくれ、と叫んだ路上には曖昧なロープで吊された
自己嫌悪で死にそうな僕が決着を付けようと努力してた
誰もが惜しみない賞賛を誰かが意図しない拒絶を
不特定多数は言った 君を殺すのは君自身だ

下卑た薄笑いを浮かべながらそんな妄想は遮断される
響くトラックの警笛 おそらく次は僕が標的
跳ねた泥を受け止めながら見えもしない月を眺めてる
コーヒーはすでに冷めたが僕の目はまだ冴えてない

明日が来ることを恐れ始めたのはいつだ　頼んでもない来客に僕らは報酬を払い
水増しして膨れた腹を君は指さして笑う　君が嫌いな常識をため込んだ結果だ

英雄を気取っていた僕は明け方に転がる路傍の石
不在証明を掲げながら臙脂色に燃える空を見上げて
何処かで新しい敵がやって来るのを期待しながら
そうでもしなけりゃ僕はまた死ぬ意味を見付けちゃうから

繰り返し言葉を選んでは口籠もることが　どうやら多数派はそれを気に入らないらしい
見なければいいのに、否定するため口を出す　僕の嫌いなアンタ方は一体いつ死ぬんだい

血が滲むほど握り締めた手の平に何かあればいいのか
今もまだ時間を費やしてこんな言葉を考えているのに
どうやら僕はまた一人で正義の味方を演じるらしい
歯の痛みにさえ負けそうだが、涙を堪え僕は生きていた

曖昧なロープに吊されたままで　僕はしたり顔で見物客に笑いかける
痛みに順応し始めたときにようやく僕は死ぬだろう　僕の終わり方を見ていたかったのに