(1)
鬼無里(きなさ) :
作詞/279 :
792_18<>sk5_659
君にあらずんば 夢に成らず
空を見果てれば 声にならず
キサラに溶けた秋風は 月に焦がれん塗れ睫毛(まつげ)
雨に影法師 描ききれず
風に子守唄 唄いきれず
鬼無里の村の風景は そんな私に悪戯を
啼くよ夜中に不如帰(ホトトギス) 君の帰りを待っている
声にならない 擁(いだ)けない 夏の哀しみいざ逝(ゆ)かん
蒼に映り来る 藍の濃さが
フスマすり抜けて 心 染める
雅に琴の大きさを 既に嗜(たしな)め その指で
袖に伝えし不知火(しらぬい)が 君の帰りを待っている
声にならずに 賑やかに 夏の哀しみいざ逝かん
啼くよ夜中に不如帰(ホトトギス) 君の名前を呼んでいる
耽る季節を思い出し 何故か流るる塩の水