(1)
邪図(ジャズ) :
作詞/ぽp :
766_227
気づけば時計は仕事の終わりを告げている。
君と二人、煙草を吹かす午前零時の車内。
このままどこか知らない街へ逃げていってしまおうか。
酒の味を思い出せるならばどこでもいいんだよ。
真っ白なシーツよりも少し汚れたものがいいな。
そのほうがお似合いなのさ。僕にも君にも。
夕暮れる頃に目を覚ますバスルーム。
床に寝そべる君をそっと起こし、今日も行く。
僕が僕を失う場所、君が君を見つける場所。
それぞれの夢を語り捨てる墓場へ。
さあ賽は投げられた。
隣人は今日も焼身自殺の練習に失敗したようだ。
爆破テロに憧れるよりはまだ随分と平和的さ。
繋がってるのは赤い糸なんかじゃなくて。
酷く冷たくて重い、少し錆びた鎖さ。
そのほうがお似合いなのさ。僕にも君にも。
星も瞬きを潜める闇夜の街で。
ふいに呟いた君の言葉が足元に落ちた。
僕が僕を蝕む場所、君が君を見つめる場所。
それぞれの明日を探り当てる墓場へ。