(1)
骨描き ：
作詞/無楽 ：
739_10
骸骨を描いてみたくなったんだ あの白よりもっと白い奴を
眼窩の黒は夏の闇夜に 勝るとも劣らぬ墨染め
紙に踊る輪郭に 色を添える刹那は
ただ粗略あるまじきと 息を殺す切なさ
けたけたと笑う貴女を 門松の上にちょこんと乗せて
年の始めのためしとて 努々（ゆめゆめ）忘れず御用心
狂骨の声を夢に聞くんだ いつの日を恨むかしましさを
春の根元に埋めて一年（ひととせ） 汁もナマスも桜かな
花の日の凄艶に 臆すること無かれと
肌身も心も捨てて 踊り狂える哀しさ
からからと詠う貴女の 目から芽生えるススキの綺麗
終りなき世のめでたさを 常々（つねづね）語らず御用心
誰も彼もがいつの日か 骨となれる目出たさに
ウロジよりムロジへ帰る 一休み ひとやすみ
かたかたと踊る貴女を 白や黒やで表せる日を
こんなうれしい事はと 努々常々御執心
常々努々御執心