(1)
夏、来にけらし :
作詞/無楽 :
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春の隣に立つ貴女とは
口が裂けても言えない日々を
手取り足取り 帯まで取って
事の限りを尽くすに至り
逆手からみに声をあげ 下がり藤にて声枯らし
深山本手に打ち震え これが好きよと笹舟本手
春過ぎて あの夏 来にけらし
秋の隣に座す貴女には
頬を染めてもきり無い日々を
上に下にと 重なり別れ
吐息あわせて事の終わり
零松葉に恥じらいて 君の重みの御所車
好いて巣篭もり汗交じり この身心も襷がけ
春過ぎて あの夏 来にけらし
声を漏らせば鶯の
谷渡りにて日も夜もすがら
薄い茂みの頃を乙女と
瓜が破れし貴女を泣いて
二人ひとつの宝船 のどの渇きに岩清水
反り観音の功徳にて 山の裾野に花を咲かせん
この世 志がらみ多くても 死して獅子舞 犯って御仕舞い
千鳥 千鳥の曲 ほととぎす いまや貴女は不如帰
春過ぎて また夏 来にけらし
かの夏 来にけらし