(1)
野点の緑 :
作詞/無楽 :
466_153
はんなり枯れるうれしさを
誰にと想えど詮無くて
身を休めた朱の下に
木々の緑を器に招き
溶いて溶かれる音の華
それが広がり窓を抜け
秋の終わりの緑を揺らす
凛とし乱と 心が揺れる 葉のささやくに 似た音は
声の限りを色に染め この身に宿すことでしょう
雨が降りたち 滴の声が
千代に八千代の葉をなでる
座して眺める色の波
数ある中の この私
凛とし乱と 心が染まる 濃いも薄いも 散り逝けば
良き思い出と手を繋ぐ 忘れがたくになるでしょう
歩きつかれて傘の下 色と音に溺れたら
吐く息の白を句点と笑い 席を離れて帰りましょう
またいつかを夢に見て 振り返らずに帰りましょう